第7章 離婚協議

まだ玄関に入る前に、稲垣おばあさんは車椅子に座って押されてやって来た。

その目の中の喜びは溢れんばかりで、高橋遥への愛情がよくわかる。

近づくとすぐに高橋遥の手を握り、喜びの声で言った。「ああ、待ちわびたよ、やっと遥ちゃんが来てくれたね」

そばにいた使用人も笑顔で言った。「そうですね、奥さん。おばあさんはさっきまであなたがまだ来ないと文句を言っていましたよ。次の瞬間、あなたが来ると聞いて、すぐに押して来たんです」

高橋遥はしゃがんで笑顔で答えた。「おばあちゃん、私は来ましたよ。朝はちょっと用事があって遅れました」

稲垣おばあさんはそれを聞いて、高橋遥の手を軽く叩き、とても満足そうに...

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